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皆さんこんにちは!
株式会社エムアンドエム、更新担当の中西です。
さて今回は
ということで、今回は、塗装業界の人手不足の背景、育成がうまくいかない理由、そして今後の対策について、現場の視点と経営の視点を交えて深く掘り下げていきます!
建物を美しく、そして長持ちさせるために不可欠な「塗装工事」。
しかし今、その塗装業界は深刻な課題に直面しています。
それが、「人材不足」と「育成の停滞」です。
「若い人が入ってこない」
「教えたいけど教える余裕がない」
「せっかく育てても辞めてしまう」
現在、塗装職人の約3割が50代以上
20代の入職者は全体の1割以下とされており、次世代が育たない構造が続いています
このままでは、10年後に塗れる職人がいなくなるという声も現実味を帯びています。
「キツイ・汚い・危険」なイメージが強く、若手が敬遠しがち
作業内容が見えにくく、「職人=将来が不安定」という誤解も根強い
技術力が評価されにくく、「塗装職人=つぶしがきかない仕事」と思われている現状があります。
入社後1年以内の離職が多く、「思っていた仕事と違った」という声が多い
教育不足や職場環境の未整備が、定着率の低下を招いています
人材が「来ない」「育たない」「残らない」この三重苦が今の塗装業の現実です。
「見て覚えろ」「体で覚えろ」という指導が主流
手順や技術が体系化されておらず、人によって教え方もバラバラ
結果、新人が「何をどこまでできれば一人前なのか分からない」という状態に。
ベテラン職人の中には、優れた技術を持ちながらも、言語化して伝えるのが苦手な方も多い
忙しい現場で教育の時間がとれず、育成が後回しになる現場も少なくありません
技術を「持っている人」と「教えられる人」は別物なのです。
「何年働いても給与が上がらない」
「資格を取っても現場での扱いが変わらない」
モチベーションが下がり、離職につながる
キャリアパスや昇給制度が不明確だと、若手は「この先どうなるのか」が見えず不安になります。
レベル | 習得技術例 |
---|---|
Lv.1 | 材料運搬、養生、基本的な道具の名称理解 |
Lv.2 | ハケ・ローラーの基本操作、下塗り作業 |
Lv.3 | 中塗り・上塗り、仕上げのムラ調整 |
Lv.4 | 施工管理補助、安全管理、現場リーダー補佐 |
Lv.5 | 見積もり・お客様対応・現場全体の管理 |
成長の段階と目標が見えると、やる気も定着率も高まります。
ハケの動き、塗り方のコツ、養生のやり方などを動画や写真で解説
「見て覚える」を、「見て学ぶ」に変える
スマホでいつでも復習できる環境を整備
若手世代には、“感覚”より“視覚”が響く時代です。
教育担当者に「教える力」をつける研修を実施
「誰を、どう育てるか」という計画づくり
教えた実績を評価して、モチベーションもアップ
「教える文化」を現場に根づかせることが、育成の第一歩です。
外国人技能実習生・特定技能者への多言語対応・文化理解
女性でも働きやすい作業環境(軽量道具、着替えスペース)
50代以降の未経験者を受け入れる「リスキリング」制度
多様な人材が活躍できる現場は、強い組織になります。
昇給・資格手当・役職制度の整備
「3年後には班長に」「5年後には現場責任者に」という道筋を明示
独立支援や法人化サポート制度の構築
「未来が描ける会社」は、若手にとって選ばれる会社です。
塗装は、ただの仕上げではありません。
建物を守り、彩り、長持ちさせる技術です。
しかしその価値が、社会にも若者にも正しく伝わっていないのが現状です。
そこで、次のような取り組みが求められます
SNSやYouTubeを活用した職人のかっこよさの発信
中学校・高校での職業講話やインターンシップの実施
お客様と塗装職人をつなぐ現場見学・体験イベントの開催
技術を“伝える力”も、次世代に受け継ぐための大切な仕事です。
塗装の仕事は、手に職を持ち、技術で勝負できる素晴らしい仕事です。
しかし、その未来を支えるには、「人を育てる力」が不可欠です。
明確な教育ステップ
教える人の育成
働きやすい環境とキャリアの見える化
多様な人材の受け入れ
業界全体での魅力発信
これらの取り組みが積み重なって、
「選ばれる塗装業界」「誇れる職人業界」へと変わっていきます。
皆さんこんにちは!
株式会社エムアンドエム、更新担当の中西です。
さて今回は
ということで、今回は、塗装工事の品質を守るために重要な事前確認事項10選を、現場経験に基づいて深く解説します♪
「塗る」前の準備で、すべてが決まる
それが、塗装工事の現場でよく言われる言葉です。
実際、色むら・はがれ・膨れ・早期劣化といったトラブルの多くは、施工技術ではなく、“事前確認不足”が原因で起こります。
塗装工事は、工程上は「仕上げ」の段階ですが、
実は建物全体の保護・美観・防水・耐候性に関わる重要な工程です。
しかし塗装は目に見える部分が多いため、不具合がすぐに発覚しやすく、クレームに直結するリスクも高い工種です。
事前に確認すべきことを怠ると、次のような問題が発生します:
塗料の選定ミスによるはがれや色あせ
下地処理不足による浮き・ふくれ・密着不良
塗り回数や乾燥時間の誤認による耐久性不足
養生ミスによる汚れ・破損・施主クレーム
これらのリスクを防ぐカギが、“塗る前の確認”=事前確認なのです。
塗料の種類(アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素・無機など)
色番号・艶(つや)の有無・メーカー・製品名が合っているか
期待耐用年数や塗り重ねの回数(1回・2回・3回)
基材に合った塗料かどうか(木部・鉄部・コンクリート・サイディングなど)
仕様書・設計図・サンプルボードを現場で照合し、認識を統一します。
ひび割れ、はがれ、サビ、藻・カビ、汚れ、粉化(チョーキング)の有無
外壁目地やクラック部に補修が必要かどうか
前回の塗膜の種類と状態(旧塗膜が残るか・剥離が必要か)
下地処理の内容が“塗装の寿命”を左右します。状態に応じた処置が必要です。
洗浄機の使用可否(電源・水源の有無)
ケレン(サビ落とし・旧塗膜除去)のグレード(1種~4種)
洗浄後の乾燥時間(24~48時間確保)
「洗わずに塗る」は絶対NG。汚れの上から塗っても密着しません。
図面上の数量と実際の面積の確認
屋根・外壁・軒天・雨樋・破風板・鉄部・木部などの範囲と塗り分け箇所の整理
施主との合意事項と照らし合わせる(色分け部・塗装しない部位)
「ここも塗るつもりだったのに!」とならないように、施工範囲の明文化が大切です。
窓・ドア・サッシ・床・植栽などへの養生範囲・方法の明確化
車両や近隣住宅への飛散対策
養生材の品質(テープ跡が残らない素材の選定)
養生は「仕上げを守る仕事」。手抜きは即クレームにつながります。
足場の有無・配置・高さ・安全帯の使用可否
塗装作業に支障のない動線確保
工期内での足場解体タイミングの共有
安全かつ効率的な作業環境がなければ、品質も安全も確保できません。
気温5℃未満、湿度85%以上、雨天・強風時は原則NG
乾燥時間(下塗り→中塗り→上塗り)を十分に取る
天候による日程変更・順延時の調整ルール確認
「今日塗れますか?」は現場での最重要判断のひとつ。塗装は天候と対話する仕事です。
塗料1缶あたりの標準塗布面積(㎡/缶)の確認
適切な希釈(水・シンナー)の割合
過度な薄めすぎによる性能劣化の防止
メーカー基準に沿わない塗布は、「塗ったのにすぐ剥がれる」原因になります。
実際の色味とサンプルの比較(※天候や日照で色の見え方が変化)
艶の有無(3分・5分・艶消しなど)
建物全体との調和・近隣との景観への配慮
「思っていた色と違う」と言われる前に、カラーシミュレーションや試し塗りが効果的です。
塗料臭・騒音・高圧洗浄・車両出入りの事前説明
クレーム窓口と緊急連絡先の提示
施工中のトラブル発生時の連絡体制
「良い工事だったね」と思ってもらえる塗装工事には、技術+近隣配慮が欠かせません。
塗装は、建物の“顔”をつくる工事であると同時に、信頼を目に見える形に変える工事でもあります。
その品質を守るためには、職人の腕だけでなく、
現場の状態を読み取る力
情報を共有するコミュニケーション力
天候や材料をコントロールする段取り力
これらを総動員する必要があります。
そしてその全ては、「塗る前の準備=事前確認」に凝縮されているのです。
高品質な塗装工事とは、
正しい材料を
適切な工程で
安全に、美しく、長く保つように施工すること。
そのためには、事前に「塗ってはいけない条件」や「確認すべきこと」をすべて押さえる必要があります。
「確認してから塗る」ことが、
“5年後・10年後にも誇れる仕上がり”をつくるプロの仕事です。