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第17回塗装工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社エムアンドエム、更新担当の中西です。

 

 

さて今回は

~屋根と壁面の違い~

同じ“塗装工事”でも、屋根と外壁では役割・下地・劣化要因・使う材料・施工手順が大きく異なります。ここを押さえると、見積比較や品質管理の目が格段に良くなります。


1|役割の違い

  • 屋根:直射日光・雨・風を最前線で受ける。防水・遮熱・温度変化吸収が主目的。

  • 壁面:雨水を流しつつ意匠保持・微細クラック追従・防汚が主目的。


2|下地(素材)の違い

  • 屋根:スレート(カラーベスト)、金属(ガルバ・トタン)、セメント瓦、モニエル等。

  • 壁面:窯業系サイディング、モルタル・リシン、ALC、金属サイディング、タイル目地など。

→ 素材ごとにプライマー(下塗り)の種類が変わる。
例)金属屋根=防錆形エポキシ、チョーキングの強い壁=浸透形シーラー、モルタルの段差調整=フィラー


3|劣化のメカニズム

  • 屋根:UV・高温(夏は表面70℃超も)・雨打・結露・苔。縁切れや金属部のが致命傷。

  • 壁面:UV・風雨・乾湿繰り返し・排気汚れ。ヘアクラック目地シーリング劣化が起点。


4|下地調整と補修

  • 屋根

    • 高圧洗浄→タスペーサーで縁切り(スレート)

    • 釘/ビス浮きの増し締め・シーリング、棟板金の下地木交換

    • 金属錆部のケレン(ST2〜3)→防錆プライマー

  • 壁面

    • 目地シーリング打ち替え(三面接着防止)

    • クラックUカット+シール/樹脂モルタル

    • 素地の段差・巣穴はフィラーで平滑化


5|使用する塗料システム

  • 屋根向け:耐候性・遮熱性重視

    • 2液型シリコン/フッ素/無機系、遮熱トップの採用が一般的

    • 下塗りは防錆・高付着タイプ必須

  • 壁面向け:意匠と追従性・防汚性重視

    • ラジカル制御・シリコン・フッ素・無機、低汚染・親水クリヤー

    • 吹付や多彩仕上げ、**艶調整(3〜5分艶)**でムラを抑制


6|施工条件・安全

  • 屋根:勾配・墜落リスク→全面足場+親綱・フルハーネスが前提。
    風・直射で塗膜のレベリングが難しいため、時間帯と希釈率の管理がシビア。

  • 壁面:飛散・近隣配慮(車・植栽)→メッシュ養生と飛散テスト必須。
    目地・開口部周りは養生精度が仕上がりを決める。


7|防水ディテールの考え方

  • 屋根:谷板金・棟・重ね代・役物(雪止め・トップライト)周りに下塗り適合/シール相性を確認。

  • 壁面:サッシ周り・水切り上・幕板・入隅は先打ちシール→塗装→止水確認の順で。


8|美観・機能の狙い

  • 屋根遮熱・反射で小屋裏温度を下げ、高艶で雨垂れ汚れを洗い流す設計が多い。

  • 壁面艶抑えで波打ちを目立たせず、低汚染性で雨筋・排気汚れを防ぐ。


9|耐用年数とメンテ周期(一般的目安)

  • 屋根:8〜12年(高耐候・遮熱で延伸可、金属は防錆状況で差)

  • 壁面:10〜15年(下地・立地・艶で変動)
    ※海沿い・工業地帯・日当たり強の面は短く見積る。


10|見積比較で見るべきポイント

  1. 下塗りの種類と回数(素材適合か/増し塗り規定)

  2. 屋根:縁切り・棟板金補修の有無

  3. 壁:目地シール“打ち替え”か“増し打ち”か

  4. 塗料グレード(シリコン/フッ素/無機/遮熱)と

  5. 付帯部(雨樋・水切り・シャッタBOX)の範囲

  6. 保証年数と対象(色あせは除外のケース多い/付帯部は別規定)


11|よくあるNGと回避策

  • 屋根スレートで縁切り不足→雨水滞留・凍害

  • 金属屋根へ防錆下塗り未使用→早期剥離

  • 壁のチョーキング未処理で上塗り密着不良

  • 目地シールの三面接着→早期破断

  • 夏場の過乾燥・過希釈→塗膜痩せ
    素地診断→下地処理→適合プライマー→上塗り規定膜厚の順守が最強。


12|チェックリスト(保存版)

屋根

  • 釘・ビス浮き/棟板金の下地木/縁切り部材/防錆プライマー銘柄

  • 目地シール打ち替え範囲/クラック補修工法/艶度指定/低汚染仕様
    共通

  • 洗浄方式・圧力/乾燥時間と養生計画/飛散対策/保証範囲


屋根は防水・遮熱・防錆、壁は意匠・追従性・防汚
同じ塗料でも“場所”が変われば考え方が変わります。
見積・仕様書で下地処理と下塗りを確認し、屋根は“縁切り/防錆”、壁は“目地/クラック”を優先管理。
この順序で進めれば、仕上がりと耐久の両立にぐっと近づきます。

 

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第16回塗装工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社エムアンドエム、更新担当の中西です。

 

 

さて今回は

~経済的役割~

 

塗装業は、建物の外観を整える“仕上げ”として語られることが多い一方で、その経済的な役割は「装飾」以上のものです。耐久性、防水性、省エネ効果といった実用的な価値を提供するだけでなく、地域の雇用を支え、建築物の資産価値を維持・向上させる重要な産業です。


1. 建設業界全体を支える基盤産業

塗装は、建築・土木工事における「不可欠な工程」であり、住宅から商業施設、インフラ構造物(橋、トンネルなど)まで幅広い現場で必要とされます。

  • 新築や改修、リフォームの最終的な品質を左右

  • インフラの長寿命化政策(国交省の維持管理戦略)において重要な要素

  • 外装の劣化防止が、建物のメンテナンス費を抑える=長期的経済合理性に貢献

つまり、塗装業は「建築物のライフサイクル全体」を支える役割を担っているのです。


2. 地域経済への波及効果

塗装業は、地域に根差した中小事業者が多く、地元雇用や資材調達により、地域経済の循環を生み出しています。

  • 小規模な町工務店や自営業者による地元密着型の施工が主流

  • 地元企業や住民からの依頼で現地に密着した需要が継続的に発生

  • 地場の資材屋、足場業者、広告業者などとのネットワークが経済圏を形成

さらに近年では、自治体のリフォーム補助制度なども後押しし、地域経済の維持と活性化に貢献しています。


3. 雇用創出と技能継承

塗装業は、現場仕事であるため、職人技が不可欠な業種です。若手職人の育成と継承が進めば、以下のような経済的利点があります。

  • 正社員・アルバイト・外注職人など、多様な雇用形態を生む

  • 技術の標準化・資格制度(塗装技能士など)により、安定的職能としての地位向上

  • 女性やシニアの現場復帰も進み、働き方の多様性が生まれている

また、作業のデジタル化やドローン点検の導入により、新たなIT職域や若者の参入も期待されています。


4. 住宅資産価値の維持・向上

塗装は、不動産の“見た目”を整えるだけではなく、建物の“資産価値”を守る経済行為です。

  • 定期的な塗替えは、雨漏り・腐食・断熱性能低下を防ぎ、修繕費の抑制に貢献

  • 住宅売却時の査定において、外観の状態は価格に直結

  • 美観向上により、賃貸・テナント誘致にも好影響を及ぼす

このように、塗装は「不動産投資・資産運用の一部」としても極めて重要な役割を果たしているのです。


5. 環境経済への寄与

遮熱塗料や断熱塗料、低VOC塗料などの「環境配慮型塗料」の普及により、塗装業は省エネ・脱炭素社会に貢献しています。

  • 遮熱塗料により空調コストを削減=企業や家庭のエネルギー支出軽減

  • 建物の耐用年数延伸=建材廃棄の削減

  • 再塗装による既存建築物の再生=スクラップ&ビルドからの転換

これらはSDGsやグリーン経済の視点でも高く評価されており、環境経済との親和性の高い産業でもあります。


塗装業は「経済を守る仕事」

塗装業は、派手ではないかもしれません。しかしその仕事は、建物を守り、資産を保ち、人々の生活や地域経済を支える“静かな力”にあふれています。

これからの時代、建物の新築よりも「メンテナンス」や「再生」に重点が移る中で、塗装業はますますその経済的価値を高めていくことでしょう。

 

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第15回塗装工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社エムアンドエム、更新担当の中西です。

 

 

さて今回は

~多様化~

 

かつて「塗装業」といえば、建物の外壁や屋根に塗料を塗る、仕上げ的な工程を担う職種と見なされていました。しかし今や塗装業は、「保護・装飾・機能付与」の枠を超え、技術・素材・サービスの多様化を通じて新たな役割を担い始めています。


1. 機能性塗料の普及と高付加価値化

近年、塗料そのものの進化が著しく、単なる着色のためだけではなく、以下のような高機能をもつ製品が一般化しています。

  • 遮熱・断熱塗料:夏の室温上昇を抑え、省エネ効果が期待される。

  • 防カビ・防藻塗料:湿気の多い地域でも清潔な外観を維持。

  • セルフクリーニング塗料:雨で汚れを洗い流すことで、メンテナンスを軽減。

  • 抗ウイルス・抗菌塗料:病院や福祉施設など衛生管理が求められる現場に対応。

これにより、塗装業は「建物を守るテクノロジーの担い手」として、住宅や施設の性能向上に直結する存在へと成長しています。


2. サービス領域の拡張とリフォーム化

塗装工事は、外壁や屋根のメンテナンスサイクルの中で重要な工程ですが、それだけにとどまらず、次のような多機能業態へ変化しつつあります。

  • 外装リフォーム全般への対応:シーリング、防水、外壁材交換、屋根葺き替えなども含めた「建物外装の総合診断・提案」が可能に。

  • 住宅診断(ホームインスペクション)との連携:下地の劣化や断熱不足を含めた総合提案を行う事業者も登場。

  • デザイン提案型塗装:カラーシミュレーションや意匠性の高い塗装パターンの提供など、「魅せる外観」への対応が求められるように。


3. 顧客ニーズの多様化とBtoC戦略の強化

従来、塗装業は建設会社やハウスメーカーの下請けが多かった業種ですが、現在は一般消費者向け(BtoC)に直接サービスを提供する業者が増えています。

  • Web・SNSでの集客・ブランディング:自社ホームページやInstagramなどを活用し、実例紹介・口コミ集客が鍵に。

  • 見積もりの透明化・顧客との対話重視:塗料の種類や塗り回数など、素人にもわかりやすく丁寧に説明する姿勢が重視されるように。

  • 女性顧客・高齢世帯への配慮:訪問販売的な手法から脱却し、安心・丁寧・誠実な対応が業者選びの決め手に。


4. 地域密着型事業としての多機能展開

地域のインフラ維持に貢献する存在としても、塗装業の可能性は広がっています。

  • 公共施設や文化財の保全:建物の長寿命化や美観維持において、地元企業の技術と経験が活かされる。

  • 空き家の再生・地域活性化プロジェクトへの参画:塗装による美観回復とともに、住まいの再価値化に寄与。

  • 防災・耐久性能の強化:外装の劣化を放置すれば雨漏りや腐食につながるため、予防保全の専門職として需要が増加。


5. 働き方と人材育成の多様化

業界の高齢化と職人不足を背景に、若年層や未経験者、女性職人の育成・受け入れが急務となっています。

  • 見える化されたキャリアパス:技能検定制度や研修体制を整備することで、職人の成長と技術継承を図る。

  • 柔軟な働き方の導入:リモート見積もり、ITを活用した現場管理など、働きやすい職場環境づくりも進行中。

  • 動画・SNSを活用した技能共有:若者への魅力発信と、地域・業界内での知識共有が進められている。


塗装業は、暮らしの“再発見”を支える職能へ

塗装業の多様化は、単なる業態変化ではなく、地域と人々の暮らしに新しい価値を与える取り組みの一つです。防水・断熱・美観・文化の保全といった多面的な要素を備えながら、個人・企業・地域社会と深く関わる存在へと進化を遂げています。

今後も、塗装業は「暮らしを塗り替える」だけでなく、「社会の景色をつくり直す」可能性を秘めていると言えるでしょう。

 

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第14回塗装工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社エムアンドエム、更新担当の中西です。

 

 

~塗装方法~

ということで、代表的な塗装方法の種類とそれぞれのメリット・デメリット、そして現場での選定基準について詳しく解説します。

 

塗装工事の品質は、塗料の選定と同じくらい「塗装方法」によっても左右されます。建物の素材・形状・仕上がりの質感・コスト・施工条件など、さまざまな要因によって最適な手法が異なるため、適切な塗装方法の選択はプロとしての判断力の見せ所です。


1. 刷毛(はけ)塗り:細部に最も強い伝統技法

◾ 特徴

  • 手作業で丁寧に仕上げるため、塗膜の厚みを調整しやすい

  • 木部・鉄部・細かな部位や角など、「繊細さ」が求められる箇所に最適

◾ 利点

  • 凹凸面や狭小部も塗り残しなく対応可能

  • 材質に沿って塗布できるため密着性が高い

◾ 注意点

  • 施工時間がかかる

  • ムラになりやすく、技術者の腕に依存する

  • 仕上がりに「刷毛目」が残ることがある

仕上げの精密さが求められる部分で活躍


2. ローラー塗り:建築塗装で最も汎用的な方法

◾ 特徴

  • 壁面や天井など広範囲に均一に塗装できる

  • 短時間で施工可能、塗料の飛散が少ない

◾ 利点

  • 中粘度〜高粘度の塗料に適応

  • 塗膜の厚さ調整が容易で、外壁などに向いている

◾ 注意点

  • 凹凸面では塗り残し・気泡が出やすい

  • 細部には不向きで、刷毛との併用が必要

  • 塗装面の材質や温度により転がり具合が変化

住宅外壁や天井などの中広面積での主力


3. 吹き付け塗装(スプレー):美観とスピードを両立

◾ 特徴

  • エアスプレーやエアレススプレーで塗料を霧状にして噴射

  • 高い平滑性・均一な仕上がりが可能

◾ 利点

  • 凹凸・複雑形状にも塗料がムラなく届く

  • 多色仕上げや模様(スタッコ・リシンなど)にも対応

◾ 注意点

  • 塗料の飛散が大きく、周囲の養生が必須

  • 風の強い屋外では施工困難

  • 使用機器のメンテナンスと操作熟練度が必要

美観重視の商業施設や意匠壁に最適


4. その他の特殊塗装方法

方法 概要 用途例
エアレススプレー 空気を使わず高圧で塗料を噴射 工場、大型物件
電着塗装 電流を使って塗料を付着させる 車体・金属部品
粉体塗装 粉末塗料を静電気で吸着、熱で焼付け 屋外鉄部、鋼材
ローラー吹き(コンプレッサー併用) 模様を転写する特殊技法 スタッコ、扇模様など

5. 塗装方法の選定基準:何を基に選ぶべきか?

判断基準 適用例
素材 木部→刷毛/鉄部→吹き付け/コンクリ→ローラー
施工面積 小面積→刷毛/中面積→ローラー/広面積→吹き付け
周囲環境 密集地→ローラー/空き地多い→吹き付け可
見た目重視 滑らかさ→吹き付け/意匠性→ローラー模様仕上げ
予算 ローラー<刷毛<吹き付け(機材費含む)

6. 現場での塗装品質を高める実践ポイント

  • 塗装前の下地調整(ケレン・プライマー)が最重要

  • 気温5℃以下、湿度85%以上では塗装を避ける

  • 塗装機器の点検・洗浄・整備を怠らない

  • 塗り重ね乾燥時間(インターバル)を守る


塗装業における「塗装方法」は、ただの作業工程ではなく仕上がりと信頼を左右する職人技です。対象や目的に応じて適切な方法を選び、道具と技術を活かすことで、高品質な塗装仕上げが実現できます。

 

 

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第13回塗装工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社エムアンドエム、更新担当の中西です。

 

~塗料ごとの注意事項~

ということで、主要な塗料タイプごとの注意点と現場で起こりやすいトラブルの防止法について、実践的に解説します。

 

塗装業において、塗料の選定と施工条件は仕上がりや耐久性を左右する非常に重要な要素です。塗料ごとに成分や乾燥条件が異なるため、「どれも同じように塗ればよい」では通用しません


1. アクリル塗料:低価格だが注意点多め

◾ 特徴

  • 発色が良く、安価

  • 紫外線や酸性雨に弱く、耐候性は低い

◾ 注意点

  • 外壁など耐久性を求める場所では短命

  • 下地が水を吸うと早期剥がれの原因に

  • 重ね塗りはしっかり乾燥させてから

短期用途・仮設建物に最適。長期用途には不向き


2. ウレタン塗料:バランス型で汎用性あり

◾ 特徴

  • 弾性・密着性が高く、汚れにくい

  • 外壁・鉄部・木部など幅広く使える

◾ 注意点

  • 硬化反応が湿度に左右されやすい

  • 高温多湿時の塗装は「肌荒れ」や「縮み」発生リスク

  • 可使時間(ポットライフ)を過ぎた塗料は使用不可

塗装条件(気温・湿度)をチェックし、速やかに施工


3. シリコン塗料:現在の主流。耐候性◎だが施工も慎重に

◾ 特徴

  • 紫外線や酸性雨に強く、外装に最適

  • 耐用年数10〜15年が目安

◾ 注意点

  • 表面のツヤが強く、下地のムラが目立ちやすい

  • 高温下での作業は乾燥ムラ・泡立ちに注意

  • 一部のシリコンは「重ね塗り不可」のタイプもある

下地処理と塗装環境の管理が肝心


4. フッ素塗料:高耐久だが施工精度が求められる

◾ 特徴

  • 15〜20年持つ高耐候性・耐薬品性

  • 商業施設・高層ビルなどで採用例多

◾ 注意点

  • 密着性が低く、プライマー選定が重要

  • 硬化が早く、ローラーや刷毛に「ダマ」になりやすい

  • 高価格のため失敗できない

必ずメーカーの施工仕様書を遵守。熟練技術者が担当すべき


5. 水性塗料:環境対応型だが気温・湿度管理が厳しい

◾ 特徴

  • 臭いが少なく、室内や学校・病院で重宝

  • 火気リスクが少なく、安全性が高い

◾ 注意点

  • 5℃以下では乾燥不良(チョーキング、剥がれ)

  • 湿度85%以上では塗膜に白濁が出るリスク

  • 金属面には適さず、さび止め下塗りが必須

作業前に「気温・湿度・素地」条件をチェック


6. その他の特殊塗料の注意点

種類 注意事項 用途例
遮熱塗料 ムラが出やすく、下地の平滑さが重要 屋根、外壁
防滑塗料 厚みの均一化が難しく、乾燥も時間を要する 階段、通路
防カビ塗料 湿気対策と通気性の両立が必要 浴室、外壁の北面

7. 下地処理・施工管理も重要な成功要素

  • 素地の汚れ・油分・旧塗膜の剥離が不十分だと、どの塗料でも密着不良の原因

  • プライマー選定は「素地×塗料」に適したものを厳選

  • 気象条件(日照・風・雨)にも細心の注意を

塗料ごとに成分・性質・施工条件が異なるため、「用途に合わせた塗料選定」と「現場環境に応じた施工管理」が品質を決定づけます。塗装業においては「塗る技術」だけでなく、「正しく選ぶ知識」こそが信頼の基盤となります。

 

 

 

 

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第12回塗装工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社エムアンドエム、更新担当の中西です。

 

さて今回は

塗料調合

ということで、塗料調合目的、方法、注意実務目線解説ます。

 

塗装工事品質左右する要素ひとつに「塗料調合」あります。調合は、現場求められる色・質感・性能実現するために、塗料適切割合混ぜ合わせる工程ことです。


1. 塗料調合は?

塗料調合は、主に以下よう目的われます:

  • 再現・調整既存建物お客様希望合わせるため

  • 性能発揮下塗り・塗り・上塗り役割合わせ度・希釈調整

  • 天候素材適応気温・湿度・乾燥時間・塗布調整


2. 調合使われる要素

材(ベースペイント)

  • 顔料・樹脂・添加含む基本塗料

  • 機能中心

希釈剤(シンナー・水)

  • 塗料調整

  • 油性・水性種類異なる

硬化剤(2塗料必要)

  • 主剤反応硬化促す

  • 正確比率混合不可欠

着色剤(調用)

  • 基本調整加えるため使用

  • 単位印象変わるため高度技術必要


3. 調合流れ実践ポイント

番号サンプル基づく選定

  • 日本塗料工業会(JIS規格)見本基本選ぶ

  • 合わせ塗装反射周囲環境考慮

比率計量混合

  • 電子りやメスシリンダー厳密計量

  • 硬化剤・シンナー指定割合(例:材:硬化剤:希釈剤=4:1:1)調合

濾過熟成

  • 不純物取り除くため濾過

  • 調合10〜30放置し、分子なじみ待つ熟成時間取る

試し塗り調整

  • 実際下地試し塗り塗布確認

  • 必要微量調整調合


4. 調合ミス招くリスク

  • 硬化不良によるがれ

  • ムラ・仕上がり差異

  • 塗装・クレーム対応によるコスト

精度低い調合は、工期遅延信用低下つながるため致命です。


5. 現場求められるスキル

  • 経験による感覚(視覚判断)

  • 塗料化学特性理解

  • 季節気候による調整応用

  • お客様要望反映させる対応


6. デジタル調活用

  • 自動調機(カラーシミュレーター)導入により、軽減

  • 専用アプリカメラ解析し、近似調合レシピ自動生成

  • データベースによる番号管理・注文対応可能


塗料調合は、単なる“作る”作業ではありません。
それ建物美観・耐久性・顧客満足支える、職人感性技術融合です。
現場品質塗装実現するためも、調合技術習得継承ますます重要なります。

 

 

 

 

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第11回塗装工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社エムアンドエム、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~ヒアリング~

ということで、塗装業者にとってヒアリング重要性と、実践進め方について解説ます。

 

外壁屋根塗装工事は、見た目回復するだけなく、住まい守り資産価値保つため重要工事です。しかし、塗料種類、色、施工方法など多岐にわたるため、お客様要望しっかり聞き取るヒアリング工事成功カギ握ります。


1. なぜヒアリング重要か?

要望提案ズレ防ぐ

  • お客様求めるは「ただ塗り替え」ではなく、「悩み解消」や「理想外観実現」

  • ヒアリング不十分と、仕上がり不満やすい

塗料選び判断材料なる

  • 耐久性重視か、コスト重視か、味・好みなど

  • お客様生活スタイル予算最適塗料提案可能なる

トラブル・クレーム防止

  • 相違、施工範囲誤解、工程スケジュールなどの「た・ない」問題防止

  • 事前合意しっかりていば、信頼アップ


2. ヒアリング確認すべ項目

確認項目 具体質問
現在悩み 汚れってしたか?」「チョーキングなりますか?」
希望色・仕上がり 明るい感じ?落ち着い雰囲気?」「光沢欲しいですか?」
塗料グレード 10以上たい?コスト抑えたい?」
工事時期 いつ施工希望ますか?」
近隣対応要望 近所配慮どうしましょうか?」

3. ヒアリング実践ポイント

現場調査と同時に行う

  • 実際劣化状況確認ながら話すと、説得あり信頼増す

視覚資料活用

  • 見本、塗料施工事例、パースながら要望引き出す

  • 言葉イメージズレ」防ぐ有効

お客様生活背景理解する

  • 共働き家庭、高齢世帯、ペット有無などにより、工事配慮変わる

打ち合わせ内容記録・共有

  • 打ち合わせシート」まとめて、お客様内容確認・合意するステップ忘れ


4. ヒアリング不足招くリスク

  • ってたよりた」「こんなに光沢あるは…」など完成不満

  • 塗料グレードっておらず、劣化進む

  • 近隣トラブル(足場音・塗料臭)配慮不足によるクレーム発生


5. ヒアリングした信頼提案

  • お客様言葉プロ言葉翻訳提案

    • 例:「したい」→高い淡色+控えめ塗料選定

  • なぜその塗料選ぶか?」明確根拠をもって説明


塗装工事におけるヒアリングは、顧客満足トラブル回避基礎です。
丁寧取りこそが、プロとして誠実伝える最大武器となります。
ただ塗る」だけなく、「理想する」ためヒアリングを、ぜひ大切にしください。

 

 

 

 

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第10回塗装工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社エムアンドエム、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~育成~

ということで、今回は、塗装業界の人手不足の背景、育成がうまくいかない理由、そして今後の対策について、現場の視点と経営の視点を交えて深く掘り下げていきます!

 

 

建物を美しく、そして長持ちさせるために不可欠な「塗装工事」。
しかし今、その塗装業界は深刻な課題に直面しています。

それが、「人材不足」と「育成の停滞」です。

 「若い人が入ってこない」
 「教えたいけど教える余裕がない」
 「せっかく育てても辞めてしまう」


塗装業界における人手不足の現状


① 高齢化と若年層の減少

  • 現在、塗装職人の約3割が50代以上

  • 20代の入職者は全体の1割以下とされており、次世代が育たない構造が続いています

このままでは、10年後に塗れる職人がいなくなるという声も現実味を帯びています。


② 3Kのイメージと職業魅力の不足

  • 「キツイ・汚い・危険」なイメージが強く、若手が敬遠しがち

  • 作業内容が見えにくく、「職人=将来が不安定」という誤解も根強い

技術力が評価されにくく、「塗装職人=つぶしがきかない仕事」と思われている現状があります。


③ 離職率の高さと定着しづらさ

  • 入社後1年以内の離職が多く、「思っていた仕事と違った」という声が多い

  • 教育不足や職場環境の未整備が、定着率の低下を招いています

 人材が「来ない」「育たない」「残らない」この三重苦が今の塗装業の現実です。


なぜ育たない?人材育成のボトルネック


OJT頼みの“感覚的教育”

  • 「見て覚えろ」「体で覚えろ」という指導が主流

  • 手順や技術が体系化されておらず、人によって教え方もバラバラ

 結果、新人が「何をどこまでできれば一人前なのか分からない」という状態に。


教える人が“教えられる人”ではない

  • ベテラン職人の中には、優れた技術を持ちながらも、言語化して伝えるのが苦手な方も多い

  • 忙しい現場で教育の時間がとれず、育成が後回しになる現場も少なくありません

 技術を「持っている人」と「教えられる人」は別物なのです。


 成長と報酬が連動しない評価制度

  • 「何年働いても給与が上がらない」

  • 「資格を取っても現場での扱いが変わらない」

  • モチベーションが下がり、離職につながる

キャリアパスや昇給制度が不明確だと、若手は「この先どうなるのか」が見えず不安になります。


人材を育て、活かすためにすべき5つの対策


 ① 教育ステップの“見える化”とスキルマップ導入

レベル 習得技術例
Lv.1 材料運搬、養生、基本的な道具の名称理解
Lv.2 ハケ・ローラーの基本操作、下塗り作業
Lv.3 中塗り・上塗り、仕上げのムラ調整
Lv.4 施工管理補助、安全管理、現場リーダー補佐
Lv.5 見積もり・お客様対応・現場全体の管理

 成長の段階と目標が見えると、やる気も定着率も高まります。


 ② 動画・写真・マニュアルによる“視覚教育”

  • ハケの動き、塗り方のコツ、養生のやり方などを動画や写真で解説

  • 「見て覚える」を、「見て学ぶ」に変える

  • スマホでいつでも復習できる環境を整備

若手世代には、“感覚”より“視覚”が響く時代です。


 ③ 教える人=“教育担当”の育成と評価

  • 教育担当者に「教える力」をつける研修を実施

  • 「誰を、どう育てるか」という計画づくり

  • 教えた実績を評価して、モチベーションもアップ

「教える文化」を現場に根づかせることが、育成の第一歩です。


 ④ 外国人・女性・中高年層など多様な人材の活用

  • 外国人技能実習生・特定技能者への多言語対応・文化理解

  • 女性でも働きやすい作業環境(軽量道具、着替えスペース)

  • 50代以降の未経験者を受け入れる「リスキリング」制度

多様な人材が活躍できる現場は、強い組織になります。


 ⑤ 働き方とキャリアの“未来像”を描く

  • 昇給・資格手当・役職制度の整備

  • 「3年後には班長に」「5年後には現場責任者に」という道筋を明示

  • 独立支援や法人化サポート制度の構築

「未来が描ける会社」は、若手にとって選ばれる会社です。


“塗装の魅力”を伝える取り組みも必要


塗装は、ただの仕上げではありません。
建物を守り、彩り、長持ちさせる技術です。

しかしその価値が、社会にも若者にも正しく伝わっていないのが現状です。

そこで、次のような取り組みが求められます

  • SNSやYouTubeを活用した職人のかっこよさの発信

  • 中学校・高校での職業講話やインターンシップの実施

  • お客様と塗装職人をつなぐ現場見学・体験イベントの開催

技術を“伝える力”も、次世代に受け継ぐための大切な仕事です。


育てることは「業界の未来をつくること」


塗装の仕事は、手に職を持ち、技術で勝負できる素晴らしい仕事です。
しかし、その未来を支えるには、「人を育てる力」が不可欠です。

明確な教育ステップ
教える人の育成
働きやすい環境とキャリアの見える化
多様な人材の受け入れ
業界全体での魅力発信

これらの取り組みが積み重なって、
「選ばれる塗装業界」「誇れる職人業界」へと変わっていきます。

 

 

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第9回塗装工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社エムアンドエム、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~確認事項~

ということで、今回は、塗装工事の品質を守るために重要な事前確認事項10選を、現場経験に基づいて深く解説します♪

 

「塗る」前の準備で、すべてが決まる
それが、塗装工事の現場でよく言われる言葉です。

実際、色むら・はがれ・膨れ・早期劣化といったトラブルの多くは、施工技術ではなく、“事前確認不足”が原因で起こります。


なぜ塗装工事に事前確認が必要なのか?


塗装工事は、工程上は「仕上げ」の段階ですが、
実は建物全体の保護・美観・防水・耐候性に関わる重要な工程です。

しかし塗装は目に見える部分が多いため、不具合がすぐに発覚しやすく、クレームに直結するリスクも高い工種です。

事前に確認すべきことを怠ると、次のような問題が発生します:

  • 塗料の選定ミスによるはがれや色あせ

  • 下地処理不足による浮き・ふくれ・密着不良

  • 塗り回数や乾燥時間の誤認による耐久性不足

  • 養生ミスによる汚れ・破損・施主クレーム

これらのリスクを防ぐカギが、“塗る前の確認”=事前確認なのです。


塗装工事における事前確認事項《10のチェックポイント》


 ① 塗装仕様と塗料の確認

  • 塗料の種類(アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素・無機など)

  • 色番号・艶(つや)の有無・メーカー・製品名が合っているか

  • 期待耐用年数や塗り重ねの回数(1回・2回・3回)

  • 基材に合った塗料かどうか(木部・鉄部・コンクリート・サイディングなど)

仕様書・設計図・サンプルボードを現場で照合し、認識を統一します。


② 塗装面(下地)の状態確認

  • ひび割れ、はがれ、サビ、藻・カビ、汚れ、粉化(チョーキング)の有無

  • 外壁目地やクラック部に補修が必要かどうか

  • 前回の塗膜の種類と状態(旧塗膜が残るか・剥離が必要か)

下地処理の内容が“塗装の寿命”を左右します。状態に応じた処置が必要です。


 ③ 高圧洗浄・ケレンの必要性と範囲確認

  • 洗浄機の使用可否(電源・水源の有無)

  • ケレン(サビ落とし・旧塗膜除去)のグレード(1種~4種)

  • 洗浄後の乾燥時間(24~48時間確保)

「洗わずに塗る」は絶対NG。汚れの上から塗っても密着しません。


④ 塗装面積と施工範囲の確認

  • 図面上の数量と実際の面積の確認

  • 屋根・外壁・軒天・雨樋・破風板・鉄部・木部などの範囲と塗り分け箇所の整理

  • 施主との合意事項と照らし合わせる(色分け部・塗装しない部位)

「ここも塗るつもりだったのに!」とならないように、施工範囲の明文化が大切です。


 ⑤ 養生計画と周囲への配慮確認

  • 窓・ドア・サッシ・床・植栽などへの養生範囲・方法の明確化

  • 車両や近隣住宅への飛散対策

  • 養生材の品質(テープ跡が残らない素材の選定)

養生は「仕上げを守る仕事」。手抜きは即クレームにつながります。


⑥ 足場の設置状況・作業環境の確認

  • 足場の有無・配置・高さ・安全帯の使用可否

  • 塗装作業に支障のない動線確保

  • 工期内での足場解体タイミングの共有

安全かつ効率的な作業環境がなければ、品質も安全も確保できません。


 ⑦ 気象条件と施工スケジュールの確認

  • 気温5℃未満、湿度85%以上、雨天・強風時は原則NG

  • 乾燥時間(下塗り→中塗り→上塗り)を十分に取る

  • 天候による日程変更・順延時の調整ルール確認

「今日塗れますか?」は現場での最重要判断のひとつ。塗装は天候と対話する仕事です。


⑧ 塗布量と希釈率の確認

  • 塗料1缶あたりの標準塗布面積(㎡/缶)の確認

  • 適切な希釈(水・シンナー)の割合

  • 過度な薄めすぎによる性能劣化の防止

メーカー基準に沿わない塗布は、「塗ったのにすぐ剥がれる」原因になります。


⑨ 色・艶・仕上がりイメージの最終確認

  • 実際の色味とサンプルの比較(※天候や日照で色の見え方が変化)

  • 艶の有無(3分・5分・艶消しなど)

  • 建物全体との調和・近隣との景観への配慮

「思っていた色と違う」と言われる前に、カラーシミュレーションや試し塗りが効果的です。


 ⑩ 近隣対応・事前説明の確認

  • 塗料臭・騒音・高圧洗浄・車両出入りの事前説明

  • クレーム窓口と緊急連絡先の提示

  • 施工中のトラブル発生時の連絡体制

「良い工事だったね」と思ってもらえる塗装工事には、技術+近隣配慮が欠かせません。


塗装工事は「仕上げ」ではなく「信頼づくり」


塗装は、建物の“顔”をつくる工事であると同時に、信頼を目に見える形に変える工事でもあります。

その品質を守るためには、職人の腕だけでなく、

 現場の状態を読み取る力
 情報を共有するコミュニケーション力
 天候や材料をコントロールする段取り力

これらを総動員する必要があります。

そしてその全ては、「塗る前の準備=事前確認」に凝縮されているのです。


“塗る前にすべきこと”が、塗装の命を決める


高品質な塗装工事とは、
 正しい材料を
 適切な工程で
 安全に、美しく、長く保つように施工すること。

そのためには、事前に「塗ってはいけない条件」「確認すべきこと」をすべて押さえる必要があります。

「確認してから塗る」ことが、
“5年後・10年後にも誇れる仕上がり”をつくるプロの仕事です。

 

 

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第8回塗装工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社エムアンドエム、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~人気塗料~

ということで、今回は、現在人気のある塗料とその特徴、メリット・デメリット、選び方のポイント について詳しく解説します♪

 

 

建物の外壁や屋根の塗装は、美観の維持だけでなく、耐候性や防水性を高め、建物の寿命を延ばす重要な役割 を果たします。塗料の種類によって耐久性や機能が大きく異なるため、目的に応じた適切な塗料選びが重要 です。


1. 現在人気の塗料とその特徴

近年の塗料は、耐久性・省エネ効果・環境配慮 などの観点から進化しています。特に人気の塗料として、以下の種類が挙げられます。


(1) シリコン塗料(耐用年数:10~15年)

特徴:現在、最も広く使用されている塗料で、耐久性・コスト・性能のバランスが良い ことが人気の理由です。

✅ 耐候性が高く、紫外線・雨風による劣化を抑える
✅ 価格が比較的安く、コストパフォーマンスに優れている
✅ 防汚性・防水性も適度にあり、一般住宅に最適

おすすめの塗料

  • 「エスケープレミアムシリコン」(エスケー化研)
  • 「ファインSi」(日本ペイント)
  • 「クリーンマイルドシリコン」(エスケー化研)

デメリット

  • 無機塗料やフッ素塗料に比べると耐久性が劣る
  • 汚れの付着は防げるが、完全なセルフクリーニング機能はない

適した用途

  • 一般住宅の外壁や屋根、コストを抑えつつ耐久性も確保したい場合

(2) フッ素塗料(耐用年数:15~20年)

特徴:高耐久で、汚れに強く、メンテナンスの手間を大幅に減らせる塗料です。

✅ 耐候性が非常に高く、15年以上持つため塗り替え回数を減らせる
✅ 汚れに強く、美観を長期間維持できる
✅ 防カビ・防藻性があり、湿気の多い地域にも適している

おすすめの塗料

  • 「ファイン4Fセラミック」(日本ペイント)
  • 「ルミステージ」(AGCコーテック)
  • 「セラMフッソ」(エスケー化研)

デメリット

  • 価格が高めで、初期費用がかかる
  • 塗膜が硬いため、柔軟性が求められる場所には不向き

適した用途

  • 長期間メンテナンスを減らしたい高層ビルや商業施設、戸建住宅の屋根

(3) 無機塗料(耐用年数:20~25年)

特徴:無機成分(鉱物やガラス成分)を含み、最も耐久性が高い塗料 です。

✅ 紫外線や雨風による劣化がほとんどなく、20年以上持つ
✅ セルフクリーニング機能(親水性)があり、汚れが付きにくい
✅ 耐火性・防藻・防カビ性能が非常に高い

おすすめの塗料

  • 「ダイヤスーパーセラン」(ダイフレックス)
  • 「アレスダイナミックルーフ」(関西ペイント)
  • 「ハイブリッド無機」(日本ペイント)

デメリット

  • 価格が非常に高く、施工費用も高額になる
  • 硬い塗膜のため、柔軟性が求められる建物には不向き

適した用途

  • メンテナンスコストを抑えたい住宅・商業施設・ビルなど

(4) 遮熱・断熱塗料(耐用年数:10~20年)

特徴:太陽光の熱を反射・吸収し、夏場の室温上昇を抑える環境配慮型の塗料。

✅ 屋根や外壁の表面温度を10~15℃低減
✅ エアコンの使用量を減らし、省エネ効果が高い
✅ ヒートアイランド対策にも貢献

おすすめの塗料

  • 「ガイナ」(日進産業)
  • 「アレスクール」(関西ペイント)
  • 「サーモアイ」(日本ペイント)

デメリット

  • 通常の塗料よりも価格が高め
  • 効果を最大限発揮するには、適切な施工技術が必要

適した用途

  • 夏の暑さを軽減したい住宅や工場・倉庫などの屋根や外壁

(5) 水性塗料(環境配慮型・耐用年数:8~15年)

特徴:環境にやさしく、臭いが少ない塗料として注目されている。

✅ VOC(揮発性有機化合物)が少なく、安全性が高い
✅ 施工時の臭いが少ないため、住宅や学校などの使用に適している
✅ 最近は耐久性も向上し、シリコン・フッ素並みの性能を持つものも登場

おすすめの塗料

  • 「パーフェクトトップ」(日本ペイント)
  • 「エスケープレミアムシリコン」(エスケー化研)
  • 「水性セラミシリコン」(エスケー化研)

デメリット

  • 油性塗料よりも耐久性がやや劣る
  • 施工技術によって仕上がりに差が出る

適した用途

  • 環境負荷を減らしたい住宅・学校・病院・公共施設など

3. 最適な塗料の選び方

✅ コストと耐久性のバランスを考える(シリコンが標準、長持ちさせたいならフッ素・無機)
✅ 建物の環境や気候条件に適した塗料を選ぶ(高温地域なら遮熱、湿気が多いなら防カビ)
✅ メンテナンスの頻度を考慮する(無機やフッ素なら塗り替えの回数を減らせる)
✅ 施工業者の実績や信頼性を確認する(適切な施工が塗料の性能を最大限引き出す)


4. まとめ:人気の塗料を理解し、最適な選択を!

✅ シリコン塗料はコスパが良く、現在の主流
✅ フッ素・無機塗料は高耐久で、長期間のメンテナンスコストを削減
✅ 遮熱・断熱塗料は省エネ効果が高く、環境にも優しい選択肢
✅ 塗料選びは、用途・耐久性・コストを総合的に考慮することが重要

建物の特性やライフプランに合わせた最適な塗料を選び、美観と耐久性を両立させましょう!

 

 

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