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月別アーカイブ: 2025年7月

第16回塗装工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社エムアンドエム、更新担当の中西です。

 

 

さて今回は

~経済的役割~

 

塗装業は、建物の外観を整える“仕上げ”として語られることが多い一方で、その経済的な役割は「装飾」以上のものです。耐久性、防水性、省エネ効果といった実用的な価値を提供するだけでなく、地域の雇用を支え、建築物の資産価値を維持・向上させる重要な産業です。


1. 建設業界全体を支える基盤産業

塗装は、建築・土木工事における「不可欠な工程」であり、住宅から商業施設、インフラ構造物(橋、トンネルなど)まで幅広い現場で必要とされます。

  • 新築や改修、リフォームの最終的な品質を左右

  • インフラの長寿命化政策(国交省の維持管理戦略)において重要な要素

  • 外装の劣化防止が、建物のメンテナンス費を抑える=長期的経済合理性に貢献

つまり、塗装業は「建築物のライフサイクル全体」を支える役割を担っているのです。


2. 地域経済への波及効果

塗装業は、地域に根差した中小事業者が多く、地元雇用や資材調達により、地域経済の循環を生み出しています。

  • 小規模な町工務店や自営業者による地元密着型の施工が主流

  • 地元企業や住民からの依頼で現地に密着した需要が継続的に発生

  • 地場の資材屋、足場業者、広告業者などとのネットワークが経済圏を形成

さらに近年では、自治体のリフォーム補助制度なども後押しし、地域経済の維持と活性化に貢献しています。


3. 雇用創出と技能継承

塗装業は、現場仕事であるため、職人技が不可欠な業種です。若手職人の育成と継承が進めば、以下のような経済的利点があります。

  • 正社員・アルバイト・外注職人など、多様な雇用形態を生む

  • 技術の標準化・資格制度(塗装技能士など)により、安定的職能としての地位向上

  • 女性やシニアの現場復帰も進み、働き方の多様性が生まれている

また、作業のデジタル化やドローン点検の導入により、新たなIT職域や若者の参入も期待されています。


4. 住宅資産価値の維持・向上

塗装は、不動産の“見た目”を整えるだけではなく、建物の“資産価値”を守る経済行為です。

  • 定期的な塗替えは、雨漏り・腐食・断熱性能低下を防ぎ、修繕費の抑制に貢献

  • 住宅売却時の査定において、外観の状態は価格に直結

  • 美観向上により、賃貸・テナント誘致にも好影響を及ぼす

このように、塗装は「不動産投資・資産運用の一部」としても極めて重要な役割を果たしているのです。


5. 環境経済への寄与

遮熱塗料や断熱塗料、低VOC塗料などの「環境配慮型塗料」の普及により、塗装業は省エネ・脱炭素社会に貢献しています。

  • 遮熱塗料により空調コストを削減=企業や家庭のエネルギー支出軽減

  • 建物の耐用年数延伸=建材廃棄の削減

  • 再塗装による既存建築物の再生=スクラップ&ビルドからの転換

これらはSDGsやグリーン経済の視点でも高く評価されており、環境経済との親和性の高い産業でもあります。


塗装業は「経済を守る仕事」

塗装業は、派手ではないかもしれません。しかしその仕事は、建物を守り、資産を保ち、人々の生活や地域経済を支える“静かな力”にあふれています。

これからの時代、建物の新築よりも「メンテナンス」や「再生」に重点が移る中で、塗装業はますますその経済的価値を高めていくことでしょう。

 

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第15回塗装工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社エムアンドエム、更新担当の中西です。

 

 

さて今回は

~多様化~

 

かつて「塗装業」といえば、建物の外壁や屋根に塗料を塗る、仕上げ的な工程を担う職種と見なされていました。しかし今や塗装業は、「保護・装飾・機能付与」の枠を超え、技術・素材・サービスの多様化を通じて新たな役割を担い始めています。


1. 機能性塗料の普及と高付加価値化

近年、塗料そのものの進化が著しく、単なる着色のためだけではなく、以下のような高機能をもつ製品が一般化しています。

  • 遮熱・断熱塗料:夏の室温上昇を抑え、省エネ効果が期待される。

  • 防カビ・防藻塗料:湿気の多い地域でも清潔な外観を維持。

  • セルフクリーニング塗料:雨で汚れを洗い流すことで、メンテナンスを軽減。

  • 抗ウイルス・抗菌塗料:病院や福祉施設など衛生管理が求められる現場に対応。

これにより、塗装業は「建物を守るテクノロジーの担い手」として、住宅や施設の性能向上に直結する存在へと成長しています。


2. サービス領域の拡張とリフォーム化

塗装工事は、外壁や屋根のメンテナンスサイクルの中で重要な工程ですが、それだけにとどまらず、次のような多機能業態へ変化しつつあります。

  • 外装リフォーム全般への対応:シーリング、防水、外壁材交換、屋根葺き替えなども含めた「建物外装の総合診断・提案」が可能に。

  • 住宅診断(ホームインスペクション)との連携:下地の劣化や断熱不足を含めた総合提案を行う事業者も登場。

  • デザイン提案型塗装:カラーシミュレーションや意匠性の高い塗装パターンの提供など、「魅せる外観」への対応が求められるように。


3. 顧客ニーズの多様化とBtoC戦略の強化

従来、塗装業は建設会社やハウスメーカーの下請けが多かった業種ですが、現在は一般消費者向け(BtoC)に直接サービスを提供する業者が増えています。

  • Web・SNSでの集客・ブランディング:自社ホームページやInstagramなどを活用し、実例紹介・口コミ集客が鍵に。

  • 見積もりの透明化・顧客との対話重視:塗料の種類や塗り回数など、素人にもわかりやすく丁寧に説明する姿勢が重視されるように。

  • 女性顧客・高齢世帯への配慮:訪問販売的な手法から脱却し、安心・丁寧・誠実な対応が業者選びの決め手に。


4. 地域密着型事業としての多機能展開

地域のインフラ維持に貢献する存在としても、塗装業の可能性は広がっています。

  • 公共施設や文化財の保全:建物の長寿命化や美観維持において、地元企業の技術と経験が活かされる。

  • 空き家の再生・地域活性化プロジェクトへの参画:塗装による美観回復とともに、住まいの再価値化に寄与。

  • 防災・耐久性能の強化:外装の劣化を放置すれば雨漏りや腐食につながるため、予防保全の専門職として需要が増加。


5. 働き方と人材育成の多様化

業界の高齢化と職人不足を背景に、若年層や未経験者、女性職人の育成・受け入れが急務となっています。

  • 見える化されたキャリアパス:技能検定制度や研修体制を整備することで、職人の成長と技術継承を図る。

  • 柔軟な働き方の導入:リモート見積もり、ITを活用した現場管理など、働きやすい職場環境づくりも進行中。

  • 動画・SNSを活用した技能共有:若者への魅力発信と、地域・業界内での知識共有が進められている。


塗装業は、暮らしの“再発見”を支える職能へ

塗装業の多様化は、単なる業態変化ではなく、地域と人々の暮らしに新しい価値を与える取り組みの一つです。防水・断熱・美観・文化の保全といった多面的な要素を備えながら、個人・企業・地域社会と深く関わる存在へと進化を遂げています。

今後も、塗装業は「暮らしを塗り替える」だけでなく、「社会の景色をつくり直す」可能性を秘めていると言えるでしょう。

 

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